株式会社チームクリエーションスタッフブログ

チーム創りと人材育成の株式会社チームクリエーションスタッフのブログです

『人にこれだけ相談したのは初めてです』

弱音を吐いたり、悩みを口に出すと、相手から「そんな風に考えちゃダメ」「つまらないことでウジウジ悩んでるの?」と思われるんじゃないかと思って…

そうやって心の内を明かさないまま一人で抱え込んでいる人が本当に多いです。

しかもほとんどが無意識です。
辛いことを辛いと言おう、不安や焦りのモヤモヤを話そう、という【選択肢】をそもそも持っていないということです。

その習慣はやがて、ふとした拍子にワケもわからず涙が出てくる、自律神経系の身体変調が現れる、やるべきことが全く手につかない、といったいわゆる”爆発”として表面化します。その時になって初めて「あ、こんなに溜め込んでいたんだな」と気づく(意識できる)のです。本人も、そして周りも、ですね。

 

人ってそんなに強いですかね?
もしくは強くならなければいけないですか?
自分の中からネガティブ思考を排除して、人に見せないように振る舞うのがそんなに大事ですか?求められているのですか?

ここまで言っておいてナンですが、もれなく以前の私はそう思っていた張本人でした(笑)
「思っていた」なんてレベルではなく、信じ込んでいましたね。
それこそ、できない自分を人に見せるという選択肢は持っていなかったです。

そういう考え方を変えるきっかけになったのは、弱みや欠点をお茶目に見せてくれる上司であり、断っても拒絶しても側にいてくれる友や仲間でした。

中でも、ただ話を聞いてくれる環境があったことは本当に心強かったですね。
「いいから言ってごらんよ」「何があったの?」という声かけをしぶとく続けてくれたことや、業務時間中に定期的に面談をしてくれた上司。

最初は本当にそういうのが嫌で、適当にごまかしてスルーしようと心に決めていたけれど(笑)私のそういう態度も受け入れてくれて声かけやヒアリングを継続してくれたおかげで、少しずつ変わっていきました。

 

最近も、ある管理職の方は、一人の部下のために時間を取り面談を行ったそうです。周囲から「できる人」と期待され、努力も惜しまないその部下は、自分自身に過度にプレッシャーをかけていたのでしょう、誰が見ても絶不調に陥っていました。

管理職から見て、面談中の部下が十分に気持ちを話してくれたとは思えなかったそうです。ボーッとしていたり、話が途切れたりしながら時間ばかりが過ぎていく。その反応を見て、面談には全く気乗りしていなかったのだろうというのが一目瞭然だったと言います。

それでも、面談の後もたびたび電話で様子を聞き、部下を気にかけてあげた結果、10日が経過する頃には『今思えば、あの時相談できたのが自分にとっては大きかったです』と晴れやかな表情が見られたようでした。

『今まで、自分のことは自分で対処せねば…と思ってやってきました。ここまで人に相談したことはおそらくなかったと思います。上司には本当に感謝しています』とおっしゃっているそうです。


自分の弱さや欠点、「できない部分」は見せてはいけないという強迫観念に囚われている人は、自分から悩みを言い出すことができません。冒頭にお話ししたように「”人に話す”という選択肢」を持っていないのです。

だから、こちらから手を差し伸べてあげないといけない。
しかも「見せてはいけない」と思い込んでいるわけですから、すぐには差し伸べた手を握り返したりしません。ということは手を差し伸べ続けてあげないとダメなんですね。

根気のいることです。
成果がすぐに出るとも限らない非効率な業務に思えるかもしれません。
それでも、ここに手間と労力をかける価値は間違いなく大きい。
人のマネジメントという観点で言うならば、むしろ大半の仕事がここに集約されているといっても過言ではないと思います。

部下のモチベーションやパフォーマンスを高い状態に保つには、安心して取り組める環境が絶対に必要です。その安心を自分の手で放棄してしまっているのが「人に弱みは見せられない、相談できない」と思っている部下なのです。言い換えると安心を手に入れる手段を知らないのかもしれません。

「部下の問題を解決してあげよう」のように大きなことを考える必要はありません。
ただ話を聞いてあげる、ただ気にかけてあげる。そのための時間を定期的に作る。そしてそれを諦めずに継続してあげるだけで良いのですから。

 

ちなみに、ですが。

マネジメントする側の上司が「自分は上司だから弱みを見せてはいけない」と考えていると、部下はそれを感じ取り、同じように考え始めます。

部下から安心を取り上げ、パフォーマンスを下げているのは、上司自身の完璧主義思考が原因だったという可能性もありますのであしからず。


(伊藤)